脳動脈瘤
高血圧や動脈硬化等により脳主幹動脈の壁の弱い部分が徐々にこぶのように膨らんでできるもので、破れるとくも膜下出血になります。目を動かす神経や視神経の近くに動脈瘤が生じると瘤の増大や破裂に伴い神経を障害し、瞼が下がったり、ものが2重にみえたり、又視力・視野の障害を生じることもあります。治療は脳外科的開頭手術と脳血管内手術があります。
脳腫瘍
脳腫瘍は良性から悪性まで、または癌の転移などいろいろな種類の腫瘍が、様々な部位に様々な進行程度で生じます。脳内に生じた場合は手足のマヒやしびれ、言語障害、視力・視野障害、頭痛などが生じ、進行の遅い良性腫瘍でも水頭症を伴う場合や巨大化した場合は視力低下やけいれん発作、頭痛などを伴うことがあります。
聴神経腫瘍
聴神経にできる腫瘍で難聴で発症することが多く、良性腫瘍のため進行は緩徐であるが腫瘍が増大するとめまいや手足の失調を伴ってきます。脳神経外科的手術、ガンマナイフ(特殊な放射線治療)等で治療します。中耳炎でもないのに難聴や耳鳴りがあればまず、耳鼻科を受診して下さい。難聴は日頃なかなか気づきにくいものですが聴神経腫瘍の場合があります。
内頚動脈・海綿静脈洞ろう
海綿静脈洞内を走る内頸動脈が何らかの原因で静脈洞内に裂けると、目の充血、眼球突出、心拍に同期したザーザーという耳鳴りの症状が出現する。裂け目が大きい場合は失明したり、脳出血を起こすため脳血管内手術による治療を行う。
脳幹梗塞
梗塞が生じた脳幹の部位・閉塞血管の大小によりさまざまな症状を呈するが、一般的にろれつ困難を伴う手足のマヒやしびれ、ものが二重に見えるなどの症状でで発症することが多く、めまいを伴うことが多い。主幹動脈の塞栓症では突然の意識障害、瞳孔以上、四肢マヒなどを呈し、重篤な後遺症を残すことが多い。塞栓症の場合は緊急の血栓溶解術が著効を呈する 場合がある。
一過性脳虚血発作
脳の血管が一時的に閉塞されるが、その後再開通するために症状が改善する疾患で症状は手足のマヒ、しびれ、一側の目の暗黒感、めまい、言語障害、片側の視野障害など、閉塞される血管により症状は様々である。障害の時間も5分くらいから数時間と様々であるが、症状が改善するため放置されていることも多い。しかし、大きな脳梗塞の前駆症状であることが多い。原因の精査を要す。(脳血管、頸部血管の狭窄、不整脈、心臓弁膜症など)