内科の概要
当科では、一般内科として感染症を始めとする幅広い疾病に対応し、内科系疾患全般に渡って診療していますが、糖尿病を含めた代謝性疾患、内分泌疾患の患者さんが多いのが特徴的で、日本糖尿病学会専門医認定指導施設に認定されています。糖尿病の患者数は近年、増加が著しく、今後更に増加する疾患です。糖尿病の3大合併症と言われる網膜症、腎症、神経障害もさることながら、この増加の一途をたどる糖尿病が高血圧、高脂血症、肥満などの生活習慣病と相まって心筋梗塞、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症等の動脈硬化性疾患の増加が国家レベルで危惧されています。私達は微力ながら少しでもこれらの患者さん達への教育指導および治療にお役に立ちたいと願っています。
当院では糖尿病診療については、個々の患者さんに対するオーダーメイドのキメ細かい医療に努めており、検査科・放射線科・栄養管理室・看護部・リハビリ部の協力による即時検査・即時診断/評価・即時指導/治療が可能です。糖尿病外来は毎日行っており、月間800名余が訪れます。入院は血糖コントロールと合併症管理を目的とした治療が主で年間150余名が内科へ入院されます。その他、各種外科手術、化学療法や放射線科治療、妊娠・出産に際しての良好な血糖コントロールにも寄与しています。
「糖尿病センター」を平成17年10月1日より開設し、チーム医療での包括的な糖尿病を中心とした生活習慣病対策を行っています。
教育支援活動として、糖尿病教室を医師や看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士が企画・運営して、毎日の午後4時に開催しています。テーマは糖尿病の基礎知識から合併症、食事や運動・薬物療法の最新情報など、さまざまです。ご興味のある方は予約必要なくだれでも自由に参加していただけますので、ぜひ、病院にお問い合わせください。
患者さんの友の会「たんぽぽの会」では40名前後の会員が諸活動に参加しています。
さらに内分泌疾患(甲状腺疾患、脳下垂体・副腎疾患等)の患者さんも多く受診されており、脳外科、耳鼻科等の協力を得て手術例の経験も多いです。
内科系のご病気でお困りでしたら、是非「内科」受診をお勧めいたします。
特色
糖尿病の治療の目的は、網膜症、腎症、神経障害の糖尿病3大合併症および脳血管障害、心筋梗塞・狭心症、閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化性合併症の予防にあり、その目的を達成するには血糖コントロールはもちろんのこと、肥満、高血圧、高脂血症の是正が必要です。糖尿病の多種・多彩な合併症に積極的に取り組み対応するため、眼科、循環器科、脳神経内科・外科、皮膚科など他科との綿密な連携をとるとともに、動脈硬化症の早期診断のため、脈波伝播速度測定、 頸動脈エコー、MRI検査、冠動脈CTなどを実施しています。また、特殊検査として糖尿病神経障害の早期診断のための神経伝導速度や、特に中高年で増加しているメタボの評価としてレントゲンを使わない内臓脂肪の定量的評価も行っています。
糖尿病には足病変が多く見られるため、足の潰瘍・壊疽から下肢切断にならないように当院皮膚科と連携して足・爪部の病気に対応しています。下肢の閉塞性動脈硬化症によって歩行に耐えられないような足の痛みや足の冷え、しびれが生じる患者さんも増加中で、簡単に足の動脈硬化度を調べる機器を用いて定期的に観察することで、これらの患者さんの早期発見に努めています。そして、糖尿病患者さんは悪性腫瘍(癌)の合併頻度も高いと報告されています。当院では希望により消化器内科・呼吸器内科と連携のもと内視鏡検査やCT検査、エコー検査を随時行っています。
ここ数年、持続血糖モニターシステム (CGM・FGM) の使用やインスリンポンプ治療(CSII)の患者さんも増えてきています。従来の自己血糖測定(SMBG)ではわからなかった血糖の変動も容易に捉えることができ、より良い血糖コントロールにつなげることができます。
また、内分泌疾患では、見逃されやすい甲状腺疾患につきましても、即日結果がわかるホルモン血液検査、並びに甲状腺エコー検査も行い、すみやかな診断と治療につなげています。
話題
糖尿病
糖尿病の近年の増加は著しく、現在の日本人の生活状況を考えると今後更に増加すると考えられる疾患です。糖尿病の3大合併症と言われる網膜症、腎症、神経障害もさることながら、この増加の一途をたどる糖尿病が高血圧、高脂血症、肥満などの生活習慣病と相まって心筋梗塞、脳梗塞、下肢の閉塞性動脈硬化症、大動脈瘤等の動脈硬化性疾患を起こす患者さんの増加が国家レベルで危惧されています。私達は微力ながら少しでもこれらの患者さん達への教育指導および治療にお役に立ちたいと願っています。
スタッフ紹介
南條 輝志男 | 病院長昭和45年 和歌山県立医科大学卒業 専門:総合内科、糖尿病、代謝内分泌、肥満、消化器 和歌山県立医科大学名誉教授 |
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若﨑 久生 | 副院長 糖尿病・内分泌内科部長(兼) 糖尿病センター長(兼) 昭和61年 和歌山県立医科大学卒業 平成2年 和歌山県立医科大学大学院修了 専門:総合内科、糖尿病、内分泌疾患、代謝疾患 和歌山県立医科大学臨床教授 日本内科学会認定内科医・専門医・指導医 日本内分泌学会専門医・指導医 日本糖尿病学会専門医・研修指導医 日本消化器病学会専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会専門医 医学博士 |
中尾 隆太郎 | 第二内科部長 平成15年 和歌山県立医科大学卒業 専門:総合内科 |
三長 敬昌 | 第三内科部長 平成22年 和歌山県立医科大学卒業 専門:総合内科 日本内科学会認定内科医 |
丸山 杏奈 | 内科医師 平成31年 和歌山県立医科大学卒業 専門:総合内科 日本内科学会内科専門医 |
味村 彩美 | 内科医師 令和3年 和歌山県立医科大学卒業 専門:総合内科 |
中 啓吾 | 健診部長 内科医師(兼) 昭和58年 自治医科大学卒業 専門:内科、糖尿病 日本医師会認定産業医 医学博士 |