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病院長挨拶

南條 輝志男

当院は平成16年5月に和歌山県内初の地域医療支援病院としての指定を受け、地域医療にご尽力いただいている地域の先生方のご指導とご支援のもとに、病院理念に明記されている「地域医療機関と密接に連携し」を全職員が念頭に置き、日々診療活動を行っております。

平成21年1月に旧病院から現在地に新築移転し、ICU4床(令和元年10 月には6床に増床)を含む21診療科、303床で診療を開始、将来の医療の変化に対応できる高機能病院を目指して、再出発をいたしました。昨年度はコロナ禍にもかかわらず外来患者数は一日平均約900人、病床利用率は約90%、地域の先生方からの紹介率については約64%、逆紹介率は約113%と一昨年と比べると増加しました。今年は更に病病・病診連携を推進し、ビフォー・コロナの状態への回復を目指しますので、地域医療機関のご支援とご協力を宜しくお願い申し上げます。

また、平成24年3月には県災害医療拠点病院の指定を受け、名実ともに「大規模災害に強い病院」を目指し、平成 27 年 7 月にはヘリポートを併設した「災害医療研修棟」が竣工しました。さらに、平成 28 年 8 月に救急専門医・指導医を迎えて救急科を新設し、現在は3名の専属医師が活躍しています。災害時の自家発電量の倍増や負傷者受け入れ数増大とコロナ対応の充実のため、昨年3月に「災害医療対応棟」を新築竣工し、この面でも地域の先生方との良好な連携の下、地域住民の皆様の安心・安全・満足に貢献できますよう精進致します。また本年も新型コロナウイルス禍の中、コロナから逃げるのではなく正面から対峙し、これまでと同様の高度良質な医療の提供維持に努めて参りますので、更なるご指導とご支援を宜しくお願い申し上げます。

令和 5 年 2 月吉日

謹賀新年(令和6年) 

- 「混迷の兎」から「隆盛の辰」の年へ -

令和6年・「甲辰(きのえ・たつ)」の年頭に当たり、謹んで初春のお慶びを申し上げます。

昨年はコロナ禍が3年を超え、新型コロナウイルスが5類に分類され、最近では徐々に沈静化しつつありますが、代わって 非常に自覚症状と感染力の強いインフルエンザウイルスが猛威を振るい、当院職員の病欠が増え、その対応に苦慮しながら新年を迎えました。また、ウクライナ戦争に引き続き世界各地で武力衝突が勃発し、危機的な様相を呈する国際状況の 中、国内では政治と金の問題で国会が混乱したまま新年を迎えました。

しかし、大谷翔平選手のWBCでの優勝とMVP受賞に続き、大リーグでのホームラン王やMVPなど多くのタイトルを獲得し、その結果プロスポーツ史上最高額での移籍契約を結んだことに同じ日本人として心躍り、多くの方が誇らしく勇気をいただいたのではないでしょうか。

皆様におかれまして昨年は如何な一年でしたでしょうか?  
当院では朗報として、若﨑久生副院長(糖尿病・内分泌内科部長)が3月20日に令和4年度「和歌山県医学研究奨励賞」、 6月24日に伊都香看護副部長が令和5年度「和歌山県看護協会長表彰」、同じく6月24日に田中規仁中央検査部主任技師 が「厚生労働大臣賞」を受賞されましたことを謹んでご報告申し上げます。

また、2月4日に日本医療マネジメント学会・第17回和歌山支部学術集会を開催させていただきました。メインテーマは「公と 個のマネジメント ~和歌山県の目指すべき医療を考える~」とし、皆様のご協力のお陰で盛会裏に終えることが出来ました。  そして、令和3年10月3日に発生した和歌山市六十谷水管橋崩落による断水の経験から、11月下旬より和歌山県災害拠 点強靭化緊急促進事業補助金に伴う地下水汲み上げシステム(防災井戸)整備工事に着工し、本年3月中旬に完成予定です。これによって、より災害に強い病院としての設備が更に整うことになります。

13年前(平成23年)私が当院の病院長に就任した年は、東日本大震災・紀伊半島台風12号の未曽有の大水害の年であり、翌年の『わろうて』の新年のご挨拶では「-大規模災害に強い病院を目指して-」の決意を表明しましたが、今後もより 災害に強い病院作りに邁進することの重要性を痛感しています。
本年は辰年ですが、辰(龍)は十二支の中で唯一想像上の生き物で、中国では権力や隆盛の象徴であり、陽気が動き万物 が振動し、活力旺盛となって大きく成長することで形が整う年となることが期待されます。

「混迷の兎」から「隆盛の辰」の年になり、活力溢れ、良い形に世界が整い、平和な日々が訪れることを願って已みません。
本年が皆様にとりましてご多幸の年になります様、祈念申し上げます。

謹賀新年(令和5年) 

-「戦いの寅」から「友好・繁栄・飛躍の兎」の年へ-

令和5年「癸卯(みずのと・う)」の年頭に当たり、謹んで初春のお慶びを申し上げます。皆様におかれましては、佳き新春をお迎えのことと存じます。

昨年は3年連続での新型コロナウイルス禍に加えて、2月24日勃発のウクライナ戦争の想定外の長期化、7月8日安倍晋三元総理大臣 銃撃事件に端を発した旧統一教会と政治との深い関係性が浮き彫りとなるなど、社会的・政治的大混乱に陥りました。

この様に、世界中が出口の見えない大混乱の中、昨年も北京冬季オリンピック大会やFIFA W杯などの国際舞台における日本人アスリート達の大活躍に日本中が元気づけられ、スポーツが持つパワーを再認識させられました。

当院におきましては、3月2日に竣工した災害医療対応棟により自家発電量や負傷者受け入れスペースの倍増、備蓄倉庫の拡充などを実現し、災害時にも通常の医療が提供できるようになり、より一層地域の安全を守れる拠点病院として進化することが出来ました。更に災害に強い病院作りのため、国・県のご支援を得て給水量の倍増を目指しています。

常にウクライナの平和を祈念する心を持ち続けたいと思い、7月にウクライナ国花の「ひまわり」と「ペチュニア」によるウクライナ国旗を模した平和祈念花壇を作りましたが、2か月足らずで枯れてしまい、紀北農芸高校のご協力を得て黄色の「ビオラ」と紫色の「パンジー」が咲き並ぶ素晴らしい花壇が11月に完成しました。

当院はコロナから逃げない病院として当初から患者様の受け入れを積極的に行って参りましたが、和歌山県主導で第7波に備えてお盆 休暇中、第8波最中の年末年始に災害医療対応棟にコロナ観察・待機ステーションが開設され、その運営にも協力させていただきました。

私が院長に赴任した12年前(2011年)は、3月11日東日本大震災、9月4日紀伊半島大水害による土石流被害が発生し、赴任当初から 大災害に強い病院作りを目指して活動して参りましたが、コロナ禍という疫学的大災害からも逃げない病院になれたと自負しております。

昨年の年頭のご挨拶は『~「五黄・寅」最強の運気の年を迎えて~』というタイトルでした。寅は十二支の中では強い正義感と信念を持ち困難を克服していく意志と行動力を持つと言われていますが、残念なことに昨年から海外で正義感の欠落した3匹の悪い寅が大暴れし、社会は混乱させられました。

新年は兎年で、兎は他者に噛みついたり傷つけるような行動はしない友好的な動物かつ、繁殖能力が高く子孫繁栄のシンボル、そしてピョンピョンとジャンプすることから飛躍するというイメージが強いと思います。

本年が「戦いの寅」から「友好・繁栄・飛躍の兎」の年になり、皆様にとりましてご多幸の年となります様、祈念申し上げます。

謹賀新年(令和4年) 

‐「五黄・寅」最強の運気の年を迎えて‐

令和4年・壬寅(みずのえ・とら)の年頭に当たり、謹んで初春のお慶びを申し上げます。皆様におかれましては、佳き新春をお迎えのことと存じます。 今年は36年に1度の「五黄・寅」の年。九星気学で五黄は周囲を圧倒する最強の運勢、寅もまた十二支では強い正義感と信念を持ち困難を克服していく意志と行動力を持つと言われていることから、この2つを併せ持つ本年は最強の運気の年であります。

一昨年に引き続き昨年もコロナ禍で大変な一年ではありましたが、我が国、特に和歌山県では行政及び医療機関の身を削る努力と国民・県民の自助・共助努力により、11月に入ってからは第5波がほぼ沈静化され、久しぶりに平穏な日常生活に戻りつつありました。しかし、年末になってからオミクロン株の市中感染が国内でも見られる様になり、少しは緊張感を持たれて年末年始を過ごされたことと存じます。

当院におきましては、仲澤 妙美 副院長兼看護部長が11月3日に栄えある瑞宝単光章を受章されましたことを、謹んでご報告申し上げます。彼女の類まれなる統率力と実行力には幾度となく感服させられています。特に、コロナ禍の対応では当院が行政や他の医療機関から厚い信頼が得られたのは、彼女の統率力の賜物と言っても過言ではありません。

コロナ禍に挙行された東京五輪・パラリンピックでの日本人選手、そしてMBLでのリアル二刀流・大谷翔平選手の大活躍に日本中が大きな元気をいただき、スポーツが持つパワーを再認識させられました。菅政権から岸田政権への交代劇、そして米国と中国の対立が激化する中、世界中が出口の見えない政治的・経済的混乱に陥っています。

和歌山ろうさい病院では昨年10月3日、紀の川水道橋崩落事故による約1週間に亘る和歌山市紀北地域の断水により、医療機関での給水の重要性を痛感させられました。当院では平成30年9月4日に台風21号による長時間停電を経験し、国・県の全面的なご支援により、自家発電量と災害時の受け入れ患者数を倍増すべく「災害医療対応棟」を新築中(本年2月中に竣工予定)ですが、引き続き給水量の倍増計画の推進が急務となって参りました。

来年度は電子カルテや放射線治療のリニアック機器の更新と言った巨額の投資が求められる中、地域の皆様の信頼を裏切らないブランド病院であり続けるべく、スタッフ一同が一丸となって最強のチーム力を発揮して最善の医療の提供に努めますので、地域の皆様の更なるご指導・ご支援をお願い申し上げます。

当院では一昨年のコロナ禍当初より、コロナから逃げない病院として、多くの陽性者の外来・入院を受け入れて参りましたが、今日まで院内感染を出さず、ここに初春を無事迎えることが出来ましたことを、ご指導・ご支援いただきました関係各位と全職員に心から感謝申し上げます。

最強の運気「五黄・寅」の本年も皆様にとりまして、輝かしい年になります様、祈念申し上げます。

南條 輝志男 病院長プロフィール 

南條 輝志男(なんじょう きしお)
現 職:和歌山労災病院 病院長(和歌山県立医科大学 名誉教授)

学歴および職歴
平成18年和歌山県立医科大学 理事長 兼務

昭和45年 和歌山県立医科大学 卒業
昭和59~61年 米国シカゴ大学留学
平成元年 和歌山県立医科大学内科学第一講座 教授
平成17年 和歌山県立医科大学 学長
平成22年 那智勝浦町立温泉病院地域医療研究センター 総長
和歌山県立医科大学 名誉教授
平成23年 和歌山労災病院 病院長  現在に至る
専門医・指導医等
  • 日本糖尿病学会専門医(研修指導医)
  • 内分泌学会専門医(指導医)
  • 日本消化器病学会専門医(指導医)
  • 内科学会認定医(指導医)
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本病態栄養学会病態栄養専門医およびNSTコーディネーター
受 賞
昭和58年 和歌山県医学研究奨励賞
昭和61年 米国Clinical Research年次集会において優秀論文に選ばれる
平成63年 日本糖尿病学会賞(シオノギ・リリー賞)、 日本医師会医学研究奨励賞
平成15年 日本糖尿病学会賞 (ハーゲドーン賞)
平成21年 日本体質医学会学会賞
平成28年 日本糖尿病学会(坂口賞)
和歌山県知事表彰(福祉保健分野)
平成29年 日本糖尿病・肥満動物学会後藤賞
日本糖尿病協会アレテウス賞
所属学会・役職など
日本内科学会(名誉会員)、日本糖尿病学会(名誉会員)、日本糖尿病協会 (理事)
日本体質医学会(理事・前理事長)、日本糖尿病療養指導士認定機構 (元理事長)
アジア分子糖尿病学会(理事長)、アジア糖尿病学会(理事)、日本病態栄養学会(理事)
日本職業・災害医学会(理事)、日本内分泌学会(功労評議員)、日本糖尿病財団(評議員)
日本慢性疾患重症化予防学会(副理事長)、日本糖尿病合併症学会(名誉会員)
経済産業省医療産業研究会委員、総務省地方公営企業等経営アドバイザー
民間活力開発機構健康づくりシステム研究会委員
聖マリアンナ医科大学客員教授(平成22年11月~)
大連医科大学客員教授(平成25年4月~)
江蘇大学客員教授(平成26年1月~)
Diabetes Research and Clinical Practice 編集委員
Journal of Diabetes Investigation 編集委員、Journal of Diabetes Research 編集委員
Journal of Diabetes 編集委員、Islet Equality 編集アドザイザー
病院経営MASTER編集アドバイザー、Diabetes Frontier編集アドバイザー
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